個人的に絶大な信頼を寄せるスーツのファクトリーが、東北地方に存在します。
「東和プラム」であります。
約十年以上前、それこそまだ「MEN'S館」に改装される前の伊勢丹(新宿本店)において、ある一つのアパレルメーカーの名前を知った事からその歴史は始まります。
その名前こそ今や伝説となった愛知県名古屋市の「天神山」であり、当時は紛れも無く日本国内の紳士服業界における最高峰のアパレルメーカーだったと思います。
本場イタリアのファクトリーブランドに決してヒケを取らないその核心を突いたモノ作りの姿勢に、当時ヒヨッコだった自分は大変驚かされたのを今でも鮮明に覚えております。
そんな知る人ぞ知る「天神山」の圧倒的な技術力を背後から支えていた生産部門こそが岩手県花巻市の「東和プラム」であり、
西暦2002年10月に「天神山」が解散やむ無きに至った後も、我が日本を代表する縫製工場として、脈々とその技術力を現代に継承し続けております。
そして、「東和プラム」は、本場イタリアが誇るカラチェニ派のテーラリング技術と理論を日本で初めてマスターした名門ファクトリーでもあります。
【 BEAMSf Original Suit 】
「東和プラム」謹製の、BEAMSfオリジナルのスーツです。ようやく着る事が出来ました。
段返り3ツ釦のサイドベンツ仕様、パンツはノータックです。
イタリアLoroPiana製のファブリックです。明るメのトーンのNavyカラーにやや幅広のストライプ柄が入ったサキソニー地で、個人的にはまさに「理想的」な生地感であります。
一見繊細に見えますが、実際に着てみると非常に頑丈な服地に感じます。
またシワからの回復力も早くとても機能的です。
袖口は本切羽の重ね釦です。
カラートーンをBlueで統一したオキマリのコーディネート以外にも、ベースの雰囲気が絶妙なNavyカラーなので、必殺「アズーロ・エ・マローネ」的な合わせ方も積極的に導入しております。
D.シャツはGuyRoverのホリゾンタルワイドカラー、LuigiBorrelliの無地ソリッドのタイにGuyRoverのチェック柄のポケットチーフです。
何だか個人的にとても落ち着くコーディネートです。
靴はCrockett&Jones"Edgware"と言った所でしょうか。足元は内羽根式のシューズでエレガントに引き締めたいと思います。
基本的に使うカラー数を「Blue」と「Brown」の二色に絞り込む事で、スーツやタイの素材感をより引き立たせる狙いが有ります。
今回、実は様々なSHOPで数多くのスーツを試着しました。
そんな中で、改めてスーツの奥深さを肌で直接感じた次第です。
我が日本が世界に誇る「Sartoria-PLUM」のスーツ、今後の更なる発展が非常に楽しみです。