誠に身分不相応ですが・・自分の中で、過去「いつかは絶対に手に入れてみせる」憧れのアイテムの内のひとつがEdwardGreenの"DOVER"でした。
自分と"DOVER"との最初の出会いは、記憶がだいぶ曖昧になっておりますが、約10年位前にまだMEN'S館になる前の伊勢丹(新宿本店)で、
地下1階の靴売場で陳列されていたモノか、イヤ確かHugoBossの販売スタッフが履いていたのを見たのが早かったかな・・
ただソレは"DOVER"のBlackで606ラストだったのを明確に覚えております。
英国靴やイタリア靴に本格的にハマりつつあった当時の自分にとって、606の木型の"DOVER"は独特のスクェアトゥのシルエットと完成されたUチップと超絶的な職人技であるスキンステッチが絶妙に相まって、非常に悩ましく艶やかで、そして繊細に映りました。
当時はそのUチップに憧れ、給料的に現実的だったYANKOで似た様なモデルを確かそごう(横浜)で購入して、それなりに手入れを施しながら履いていた記憶があります。
その後EdwardGreenの中毒症状の病に倒れ、気付けば普遍的なスクェアトゥの888ラスト一辺倒になっていましたが、
ある時たまたま古き良きオールドイングランドの正統的英国スタイルをこよなく愛する紳士がシッカリ手入れをされた"DOVER"を履いているのを見て一気に火が付き、
「いつかは"DOVER"」、「必ずや"DOVER"」が自分の口グセになるまでに至っておりました。
その頃、何かオフィシャルな自己紹介欄に「今一番欲しいモノは?」と聞かれ「EdwardGreenの"DOVER"」と答えた記憶もあります。
・・ホントあまりにも連呼し過ぎてウチのカミサンも数あるEdwardGreenの中でも"DOVER"の名前だけは今でもよくご存知です・・
それからは、やれ結婚式だとかクルマのローンだとか色々と金銭的な不安もあり、なかなか個人的に一線を越える勇気がありませんでしたが、
財布の管理についてムチャクチャ慎重なカミサンがGUCCIのカバンを「日々頑張っている自分へのご褒美」と称しキヨブタで買ったのを見て「・・その言いワケ使えるかも」と秘かに思い立ち、いよいよ"DOVER"の購入に向け具体的に始動したのですが・・
当時"DOVER"は様々な雑誌媒体に紹介されていて、気持ち的に決断した後に限って丁度マイサイズの在庫がありませんでした。
EdwardGreenは運と縁とタイミングを逃すと欲しいラストとモデルとサイズがなかなか手に入りにくく、・・かと言って既製品で展開されているモデルをわざわざアップチャージを出してまでMTOする気持ちも無かったので、マイサイズに出会える日を信じて気長に待つ事にしました。
それからしばらく経って出張で仕事の合間を見てフラッと立ち寄ったJR名古屋駅前のミッドランドスクエアのストラスブルゴ名古屋店で遂にマイサイズの在庫をようやく確保、
たまたまその数日前にアブク銭があったのでその足で近場の銀行に走り、何とか長年の念願叶って"DOVER"を手に入れる事が出来た次第であります。
【 EdwardGreen "DOVER" DarkOak 32E 】
早いモノで購入からもう約1年以上経過しました。
履き下ろし当日は体調が優れていたのか覚悟していたより全然痛くなくチョット拍子抜けすらしましたが、昼頃には徐々に激痛に襲われ始め、やはりその日の夜は案の定あまりの痛さに足を引きずって帰宅するハメに・・
堅牢なカントリーシューズの流れを汲むWソールだからでしょうか、なかなか自分の足に革が馴染んでくれず、約1年以上経ったここ最近ようやく痛みから解放されるようになりました。
それまではホント手強い相手でした。「硬くて固くて堅くて」・・何と言うか形容し難いのですが、左足の小指がまるで挽き肉(ミンチ)になっている様なハンパ無い痛さでした。
まだ夜になると少し小指が痛くなる時も多少ありますが外羽根も画像の通り完全に閉じる位に革質も自然な柔らかさになり、今ではよく履き込んだ結果ほぼ完ペキに足に馴染んでくれています。
フィット感はやはり素晴らしいです。"DOVER"の特徴のひとつである、土踏まず部分だけシングルソールでそれ以外がWソールという通称スペードソールを採用しているので安心感のある重厚且つ堅牢な履き心地で、
"DOVER"を履いた後に他のEdwardGreenのモデルを履くとモノ凄くソールが軽い印象を受けてしまう位です。
土踏まずの足のホールド感は特に抜群で、非常に心地の良いタイトフィッティングを味わっております。
"DOVER"と言えば象徴的なライトアングルスキンステッチも職人気質を感じさせてくれるディテールですが、個人的に一番気に入っているのが"DOVER"全体が醸し出すその雰囲気です。
ラウンドトゥながら爪先部分にかけてスラリと伸びたフォルムの32ラストゆえに、英国靴特有の朴訥な感じを持ちながら何となく今日的でエレガントな雰囲気で、
よく「EdwardGreenの代表モデルのひとつ」と表現されていますがよく分かる気がします。
少し前まではネイビージャケットにグレーのパンツ等、スーツよりややカジュアルダウンしたコーディネートの時によく合わせて履いていましたが、
ここ最近は「アズーロ・エ・マローネ」の色合わせの主役としてスーツにおける登板回数も非常に増えつつあります。